4月9日に新宿タカシマヤで開催された「FTW×TAKASHIMAYA BILLICCER STATION」に参加した、自他共に認めるフットボールフリークであるタレントのJOY。彼はなぜ、そんなにもフットボールを愛してやまないのか──。イベントの合間に時間を設けてもらい、今回の催しの発起人であり、JOYを起用したフットサル日本代表の滝田学も同席のもと、JOYのルーツに迫った。
Text and Photo by Yoshinobu HONDA
文=本田好伸──今回のイベント「FTW×TAKASHIMAYA BILLICCER STATION」に出演することになった経緯とはどのようなものだったのでしょうか?
JOY フットサル日本代表の滝田学から、こんなイベントがあるのでぜひ出てほしいというお話をもらいました。滝田とは普段から仲良くさせていただいていますし、ぜひ協力したいということで参加を決めましたね。
──普段から交流があるんですね。
JOY よくご飯に行ったりもしますよ。それに今度、僕のサッカー&フットサルチーム「FCゴースト」にも来てくれるそうです。もちろん、彼がすぐにスタメンということは難しいと思います(笑)。うちはチームワークもありますから、新人が急に馴染むのは簡単じゃないと思いますから、チームを見てもらいながら、ゆくゆくはレギュラーも狙えるんじゃないかなと(笑)。チームの輪は大事ですからね。
──ビリッカーを実際に体験してみてどうでしたか?
JOY やる前には楽屋で、滝田にも「絶対に簡単だ、全部決める」と話していたんですが、やってみたらめちゃくちゃ難しかったです。サッカーを経験していたから上手くできるという感じではないですね。逆に女性や子どもが上手に決めたりもしますし、そういうサッカー歴に関係なく、何が起こるか分からない勝負をできるというのはすごく楽しかったです。
──まさに「新感覚スポーツ」といった感じですね。
JOY サッカーとは全く違いました。そもそも「疲れない」ことも良いですよね。だからこそ、ビリヤードのような感覚で、「ビリッカーバー」みたいなものができたら良いと感じました。楽しくお酒なんかを飲みながら蹴ることで、仲間との距離も縮まりますし、そういうツールとしてすごい面白いなと。誰かがやっているのを見たら気軽に近付きたいと思えますし、ワイワイできて、まさに人と人をつなぐきっかけになるスポーツだと感じました。
──今回のイベントでは、通りすがりのご年配の方が気になって足を止めている光景もありました。
JOY そうですね。それに、女性も結構、参加したいと思ってくれていたことがすごいと思いました。こういった競技に女性が興味を持つのはそんなに簡単ではないと思っていましたが、決してそんなことはなかったということでは、今後のブームにつながるのかなと。女性が興味を持つと、そこには男性も集まってきますから。
──ビリッカーに限らず、例えばJOYさんが日頃からプレーしているフットサルなどに関しても、JOYさんを通して競技を知ってもらうというような流れが定着すると良いですよね。
JOY まさに自分をきっかけにして興味を持ったり、試合会場に来てくれるようになったら一番嬉しいですね。自分にどれだけの影響力があるかは分からないですが、そういう存在になれたら良いなと思います。もしかしたら次のビリッカーのイベントがあるときには僕ではないゲストが呼ばれるかもしれないですし、そこは友人の滝田を信じていますけど……(笑)。
滝田 そこはしっかりと査定させていただき……というのは冗談で、本当にご協力いただいてありがたかったです。実際、このイベントにビリヤードの方を呼んでも僕自身が楽しめないんじゃないかなという懸念もあったので、サッカー通の人だと思った際にJOYさんしか思い浮かばなかったです。「FTW」という団体もまだ駆け出しなので、迷惑を掛けてしまうのではないかと思いましたが、JOYさんのおかげで盛り上がりを生むことができたのかなと思います。
──滝田さんは、リサメロディーさんの語尾に付ける口癖の「メロ」を使って、「ヒゲメロさん」といじられるなど、和気あいあいとした雰囲気でしたね。
JOY 「メロ」ってすごいですよね。それを付けると何でもかわいくなるんですよ。だからユニフォームも「HIGE MERO」とかにしたら良いんじゃないですかね。そのほうが盛り上がると思うんですよ。それを見た人が気になって調べたら、FTWやビリッカー、それにFリーグへとつながっていく相乗効果が期待できるという感じです。
──なるほど。ちなみに、JOYさんもFリーグとのコラボはいかがでしょうか?
JOY 滝田には以前から「ベンチ入りさせてほしい」と伝えているんです。なかなか首を縦には振ってくれませんが、最悪、メディカルチームというか、「マッサージをする人」とかでもいいですから、何かしらの役職をもらって、ベンチで肩を揉んでいたりしたいですよ(笑)。あとは、トークでチームを鼓舞したり。やっぱり、(新戦力の)森岡薫だけじゃ足りないと思うんですよ。そこにJOYという二本柱が必要なのかなと(笑)。それに競争でちゃんと勝って、森岡選手が出られなくなって、前線で僕がターゲットになるかもしれないですから。僕のプレーについては(ズラタン)イブラヒモビッチを想像してもらえると分かりやすいと思いますが、キック力という部分でも若干、僕のほうが優っているという感じがありますから(笑)。
──それは相当期待できますね(笑)。JOYさんはフットサル日本代表戦なども会場でご覧になっているようですが、フットサル自体の印象はどうですか?
JOY 近くで見ると、やっぱり簡単じゃないなと思います。自分がやっていても感じることですが、チーム内の約束事がないとすぐに崩されてしまいますから、その辺の難しさを感じますね。見ていると一見、簡単に見えるようですけど、見るのとやるのでは違います。自分のプレーにどうやって生かすのかといったことも意識しますが、でもそれを簡単に実践できないからこそ、プロと一般人の差があるんだと痛感しています。
──JOYさんはフットボール全般に関してプレーも観戦も熱心ですが、なぜそんなに好きなんでしょうか?
JOY 3歳でサッカーを始めたんですが、まだ何も考えていないようなときに最初に出会ったものであり、徐々に自分の意思を持ち始めた頃の、初めてのハマれるものだったということで、ボールへの興味を今でもずっと持ち続けているのかなと思います。
──飽きることがないんですね。
JOY ないですね。高校の途中で一度サッカーを辞めたときには離れてしまった時期もありましたが、「やっぱり好きだな」って意識に戻りました。見るのもやるのも同じくらい好きで、いつもサッカーのことばかり考えています。
──仕事との関係性という意味ではどうでしょうか。
JOY もちろん日頃のプレーなどの感覚を仕事にも生かしていますが、でもそもそも、サッカーについて考えたり、情報を見ることなども含めて、もはや日課なんですよね。
──あまり深く考えてフットボールと関わっているわけではなく、当たり前のようにあるもの、ということですね。
JOY そうです。とにかくそこへの興味しかなくて、フットボールについては何でも知りたくなっちゃうんです。そういう意味では今後、サッカー番組なんかを担当できるようになることが一番の目標です。どんな形でも良いからやりたいんですよね。
──それだけの思いがあるJOYさんであれば、近い将来に実現しそうですね。
JOY それはどうでしょうね。すでに素晴らしいMCの方々がいろんな番組を担当しているので、そこに割って入れるかは分かりません。でもこれだけ好きだということを発信し続けていれば、いつかチャンスが来るかなと思っています。
──例えば、ペスカドーラ町田のゲストMCのような形で試合を盛り上げるなんていうこともありでしょうか?
JOY できるかな(笑)。フットサルの知識は深くはないですし、たぶん、選手を茶化しちゃいそうで、ファンやサポーターの人に怒られてしまいそう……(笑)。前座試合とかはぜひやりたいですけどね。
滝田 それはぜひ、FCゴーストで来てください!
──良いですね、ではぜひFリーグのピッチに立ってください。
JOY それはもう、ぜひ。フットサルをもっとちゃんと見て勉強して行きます。
本田好伸(ほんだ・よしのぶ)
1984年10月31日生まれ、山梨県出身。 日本ジャーナリスト専門学校卒業後、編集プロダクション、フットサル専門誌を経て、2011年からフリーランスに転身。エディター兼ライター、カメラマンとしてフットサル、サッカーを中心に活動する。某先輩ライターから授かった“チャラ・ライター”の通り名を返上し、“書けるイクメン”を目指して日々誠実に精進を重ねる。著書に「30分で勝てるフットサルチームを作ってください」(ガイドワークス)