Text and Photo by Ryoya KATO
文=本田好伸脳性麻痺サッカーとは何か? イメージのつかないまま初めて訪れたのが約1年半前。障がいを抱える子どもたちと一緒にサッカーをして、自然体な彼らに囲まれていると、自分が気取ったダサいやつに思えたことを覚えている。
ちょうどその日は彼を世界大会に送り出す壮行会だった。谷口泰成、21才。脳性麻痺7人制サッカーの日本代表である。
脳性麻痺サッカーはCPサッカーと呼ばれ、パラリンピック種目でもある。麻痺は、走る、蹴る、バランスをとる動きに影響があるため、子どもたちにとってサッカーは決して簡単ではない。
「障がいを理由に、やる前からできないと思い込んでしまう」と気持ちに課題があることもコーチが教えてくれた。彼も例外ではなかったが、「小学生の頃は大人しかったけど、サッカーでいろいろな人と出会って、次第にいたずらっ子になった」とコーチは笑う。
世界との出会いもまた彼の障がいの意識を変えた。「世界に出たら脳性麻痺の人が普通と変わらないレベルのサッカーをしてて自分もそうなれるかもしれないっていうか、そうなりたいって思った」。
サッカーが紡ぐ経験は自分と障がいの対話を深めるものだと思う。
ちなみに彼の好きな動物はナマケモノ。ゆっくりしたいから、らしい。やはり自然体だ。
加藤遼也(かとう・りょうや)
サッカーで社会問題解決に取組む世界最大の組織「streetfootballworld」で初の日本人として日本事業立上げを担当。現在は国際NGOに勤務しながら、中南米で子どもたちが安全にプレーできるグラウンドつくりを通じた貧困コミュニティー再建に取組む「love.futbol」のPR、Fundraisingも担当。http://www.lovefutbol.org
NPO認定法人
CPサッカー&ライフエスペランサ
スペイン語で「希望」、「夢」、「あきらめない思い」を意味するエスペランサ。この言葉が意味するものを、サッカーという世界一ポピュラーなスポーツを通じて多くの人と共有したいと願い発足。パラリンピック種目にある7人制サッカー(CPサッカー)を中心に、サッカースキルだけでなく、自信・コミュニケーション能力といったライフスキルの向上を目指すプログラムを実施している。https://www.facebook.com/npo.esperanza
本田好伸(ほんだ・よしのぶ)
1984年10月31日生まれ、山梨県出身。 日本ジャーナリスト専門学校卒業後、編集プロダクション、フットサル専門誌を経て、2011年からフリーランスに転身。エディター兼ライター、カメラマンとしてフットサル、サッカーを中心に活動する。某先輩ライターから授かった“チャラ・ライター”の通り名を返上し、“書けるイクメン”を目指して日々誠実に精進を重ねる。著書に「30分で勝てるフットサルチームを作ってください」(ガイドワークス)